国民新聞1923年9月7日 (号外)
【記事画像は山田昭次編『朝鮮人虐殺関連新聞報道史料』緑蔭書房から】
今回の大シンに当たりて往々無根の流言を放ち人身を惑はす者がある。其の甚だしき例を挙げると、四日舟橋に不逞鮮人三百名が上陸したと云ひ五日大崎町焼失したりと流言したる者があるが、共に無根の事実で、今後流言を云ひ振す者は治安維持の為めに厳重処分せらると(戒厳司令部当局談)
解説◎
震災発生から6日後の9月6日、戒厳司令部は「朝鮮人に対する無法の待遇を慎め」などとする「注意」を発表。流言を罰する旨を記したビラを配布する。翌7日、出版や通信も含め流言飛語を罰する「治安維持令」が発せられた。なお、「鮮人」とは朝鮮人に対する差別的な表現であるが、歴史的記録としてそのまま掲載した。