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2014年10月29日水曜日

警視庁幹部「朝鮮人にして日本人を殺した者は一人もない」

朝鮮人の噂は何所から出たか今も消えぬので弱る/
大元は横浜らしい
警視庁木下刑事部長は勿論実際捜査の任に当たつた小泉捜査課長も「朝鮮人にして日本人を殺した者は一人も無い」と断言してゐるが、それにしても鮮人に関する極端に奇怪なる流言は何処から来たのか、ずいぶん苦心して調べてゐるらしいが未だにはつきりした出所がわからない。
木下部長は「何んでも流言の元は横浜なのであるがそれ以上にはつきりしない。
従つてどんな種類の人間が流言の口火を切つたのかもわからないが流言に驚いて横浜東京間就中(なかんづく)六郷附近などで無暗に警鐘を打つたりしたのが流言を産むの結果となつたものである。
未だにこの流言は無くならず、色々な風説に形ちを変へては出て来るので実は困つてゐるのだ。
本庁ではいま先ず第一の力を暴利取締りに注いでゐるが火事場の泥棒及び戸締のうすいのを幸ひに忍び込む奴、或(あるい)は婦女誘拐(これは取締厳重なのでまだ無いやうだが)乃至は脅喝(この騒ぎを幸ひに実業家乃至富豪などを脅喝して金品を強請するもの)などの警戒と共に流言は殊に厳重に捜索取締をしてゐる」と云ふ。(読売新聞1923年9月15日)

注)読みやすさを考慮して句点ごとに改行しています。


(山田昭次編『朝鮮人虐殺関連新聞報道史料2』緑蔭書房、2004年)