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2014年10月21日火曜日

ポール・クローデル(フランス駐日大使、詩人)


災害後の何日かのあいだ、日本国民をとらえた奇妙なパニックのことを指摘しなければなりません。
いたるところで耳にしたことですが、朝鮮人が火災をあおり、殺人や略奪をしているというのです。
こうして人々は不幸な朝鮮人たちを追跡しはじめ、見つけしだい、犬のように殺しています。
私は目の前で一人が殺されるのを見、別のもう一人が警官に虐待されているのを目にしました。
宇都宮では16人が殺されました。
日本政府はこの暴力をやめさせました。
しかしながら、コミュニケのなかで、明らかに朝鮮人が革命家や無政府主義者と同調して起こした犯罪の事例があると、へたな説明をしています。
(ポール・クローデル『孤独な帝国 日本の1920年代』草思社)

注)読みやすさを考慮して、句点ごとに改行しています。


解説◎

ポール・クローデル[1868 -1955年]は外交官であると同時に詩人、戯曲家。彫刻家のカミーユ・クローデルの弟。関東大震災の際は自ら被災した。上の引用は、震災直後の書簡の内容。